働き方改革の最終目標は同一労働同一賃金。でもそれっていったいどんなもの?

おはようございます、社労士の有馬です

4月からスタートした働き方改革ですが、有給休暇の強制取得への対応はもうお済みでしょうか

就業規則の改定であったり新たな有給休暇制度の導入であったり色々忙しいことと思いますが

実は働き方改革の最終目的は有給休暇の取得率の増加はあくまでも過程で、最終的な目的は同一労働同一賃金を普及させることにあります

ですがその同一労働同一賃金という言葉を耳にした事はあってもどういう意味か分かっている人は少ないはず

また、何故今までの慣習を変えて同一労働同一賃金を導入しなければいけないのかを理解している人はかなり少ないはずです

そこで今回は社労士的に同一労働同一賃金の意味と、何故政府がこの考え方を導入したがっているのかを解説していきたいと思います

直ちに影響があるということではありませんが、今の内に備えておかないと必ず会社の将来に影響してくるものなので、どういう考え方なのかあらかじめ把握しておきましょう

同一労働同一賃金とは

同一労働同一賃金とは同じ労働には同じ賃金を支払いましょうという考え方です

曖昧な言い方なのでよく分からないと思いますので具体例をだすと

正社員で販売の仕事をしているAさんの給料とパートタイムで販売の仕事をしているBさんの給料が違うのは、同一労働同一賃金の考え方からみるとおかしいということなります

日本の社会的な慣習からすると正社員とパートタイム・アルバイト社員の賃金が違うのはあまり違和感がないことでしょう

正社員は会社に長く勤めることが前提となっているので、その後のことも考えて賃金が高く設定されているのです

しかし、同一労働同一賃金の考え方が導入された後は、正社員だろうがパートタイムだろうがアルバイト社員だろうが同じ仕事をしているのなら同じ賃金を支払わなければいけません

同じ仕事には同じ賃金を。これが同一労働同一賃金の考え方です

なぜこれまでの日本的な慣習から同一労働同一賃金にシフトしていっているのか

では何故今このような考え方を働き方改革で普及させようとしているのでしょうか

これまでの終身雇用制度、年功序列の賃金制度ではダメなのでしょうか。上手くいかないのでしょうか

確かに終身雇用制度や年功序列の賃金制度は今の世の中にそぐわなくなっている部分はあるかもしれません

しかし、中小企業がほとんどという日本の社会においては人員を確保し、長く会社にとどまることによって一つの仕事に熟練していくメリットというのは大きなものがあります

それに終身雇用制度や年功序列の賃金制度は一度会社に入ると最後まで面倒を見てもらえる、面倒を見るという労使の信頼関係の醸成にもつながり、悪いことばかりではありません

個人的には日本の労働環境に最も適した制度だと思っています

しかし、そんな古くから根付く制度とあえて逆方向の同一労働同一賃金の考え方を取り入れようとしているのはなぜなのでしょうか

それは外国人労働者が働きやすい環境を作りたいからです

海外では同一労働同一賃金があたりまえ

同一労働同一賃金の考え方は欧州で生み出されたといわれています

元々は性別、人種による賃金格差を是正するためにできた考え方で、内容は上で説明したのとだいたい同じです

年功や正社員、パートタイム、アルバイトを性別、人種に置き換えたものだという理解で大丈夫です

そしてこの同一労働同一賃金は欧州諸国のどの国でも当たり前の考え方となっています

むしろ同一労働同一賃金の考え方は人権の一つだととらえられているようで、向こうの労働者からすれば日本の雇用慣習は異常に見えるようです

外国人労働者がほしい日本社会

日本は今深刻な少子高齢化社会に突入しています

年金制度で例えるなら近いうちに2人で1人の高齢者を支えるような世の中に突入しようとしています

働き手の減少は深刻で社会保障の分野だけ見てもかなりの影響を受けています

そこでそんな状況を何とかしようと打ち出したのが外国人労働者の受け入れです

日本は世界でも稀に見る外国人の受け入れに厳しい国でしたが、ここ数年でかなり条件が緩和されてきています

現在は単純労働に従事するための外国人労働者の受け入れは行っていませんが、将来的にこのような分野にも一定数受け入れが可能になるであろうことは想像に難くありません

しかし、そんな外国人労働者を受け入れる上で邪魔になってくるのが日本的雇用慣習、終身雇用制度と年功序列の賃金制度です

特に年功序列の賃金制度と正社員・パートタイマー・アルバイト社員といった役柄で賃金を分ける制度は、日本にやってきた外国人労働者に人種差別と捕らえられかねないものです

そこで将来の外国人労働者の流入に備えてグローバルスタンダートに適応するために今回の働き方改革で同一労働同一賃金の考え方を導入しようとしているというわけです

まとめ

子高齢化が続く限り外国人人材はどんどん日本に入ってくるでしょう

10年前と現在を比べてみても外国人が働いているのを見ることがかなり多くなったように感じます

その是非はわかりませんが、日本の労働環境が今の状況で立ち行かなくなっているのは事実で

働き方改革により同一労働同一賃金の賃金制度に改めなければならない以上(2020年4月から。中小企業は2021年4月から)、否応なしに対応しなければならない時期が迫っています

賃金制度の改定は非常に手間のかかる作業ですので今の内に準備を進めておきたいですね

それでは今回は以上となります

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです