【休ませる?】インフルエンザの労務管理。社員が伝染病にかかったらどうする?【出勤させる?】

おはようございます、社労士の有馬です

韓国でMERS患者が出たとのニュースを見ましたが、韓国だけでなく、海外旅行をしたり、日本で普通に暮らしているだけでもそういった伝染病にかかってしまうリスクはあります

その、代表的なものはインフルエンザでしょうが、もし仮に社員がインフルエンザにかかってしまった場合、会社はどう対応すべきなのでしょうか?

また、インフルエンザっぽいけど、不明な場合はどうすればいいのでしょうか。休ませるべきでしょうか? 出勤させるべきでしょうか?

インフルエンザの労務管理について社労士が詳しく解説します

もくじ

インフルエンザにかかった社員が出た場合慣習的にこうしてるけど、法律ではどうなってるの? ていうか法律でそんなこと決まってるの?

そんな微妙に知らない疑問について社労士経験4年の私が解説していきたいと思います

3分ほどで読める記事ですので、是非最後までお付き合いください

インフルエンザの労務管理。法律編

まずは法律を確認してみましょう

そうです。実は伝染病の労働者について定められた法律が存在するんです

その法律とは労働安全衛生法68条で、内容は以下のようになっています

(病者の就業禁止)
第六十八条
事業者は、伝染性の疾病その他の疾病で、厚生労働省令で定めるものにかかつた労働者については、厚生労働省令で定めるところにより、その就業を禁止しなければならない。

労働安全衛生法より引用

そして厚生労働省令で定めるものというのは長くなりますがこれのことです。

頭のかゆくなる文章なので読まなくても大丈夫です。大事な部分は後で解説します

とりあえず、こんな風に決まっているんだというイメージだけもっておいてください

労働安全衛生規則
第 45 条の 2(海外派遣労働者の健康診断)
事業者は、労働者を本邦外の地域に 6 月以上派遣しようとするときは、あらかじめ、当該労働者に対し、第 44 条第1項各号に掲げる項目(既往歴及び業務歴の調査、自覚症状及び他覚症状の有無の検査、身長・体重・腹囲・視力及び聴力の検査、胸部エックス線検査及び喀痰検査、血圧の測定、貧血検査、肝機能検査、血中脂質検査、血糖検査、尿検査、心電図検査)及び厚生労働大臣が定める項目のうち医師が必要であると認める項目について、医師による健康診断を行わなければならない。2 事業者は、本邦外の地域に 6 月以上派遣した労働者を本邦の地域内における業務に就かせるとき(一時的に就かせるときを除く。)は、当該労働者に対し、第 44 条第 1 項各号に掲げる項目(同上)及び厚生労働大臣が定める項目のうち医師が必要であると認める項目について、医師による健康診断を行わなければならない。第 61 条 (病者の就業禁止)
事業者は、次の各号のいずれかに該当する者については、その就業を禁止しなければならない。ただし、第一号に掲げる者について伝染予防の措置をした場合は、この限りでない。
一 病毒伝ぱのおそれのある伝染性の疾病にかかつた者
二 心臓、腎臓、肺等の疾病で労働のため病勢が著しく増悪するおそれのあるものにかかつた者
三 前各号に準ずる疾病で厚生労働大臣が定めるものにかかつた者
2 事業者は、前項の規定により、就業を禁止しようとするときは、あらかじめ、産業医その他専門の医師の意見をきかなければならない。

労働安全衛生規則より引用

作った人以外理解できないような文章がつらつらと書かれていますが

ここで重要なのは第61条の病者の就業禁止の『2』の部分です

2 事業者は、前項の規定により、就業を禁止しようとするときは、あらかじめ、産業医その他専門の医師の意見をきかなければならない。

ここに書かれているとおり、伝染病にかかっていて社員を休ませる場合には産業医やその他の専門の医師の意見を聞かなければならないと定められているのです

このことを頭に置いておきながら、実際に起こり得る状況についてケーススタディをしてみましょう

インフルエンザの労務管理。対応編

インフルエンザに代表する伝染病が発覚する場合というのは従業員の自己申告の場合が多いでしょうが、その場合2パターン考えられるかと思います

一つ目がすでにインフルエンザだと診断されている場合

そしてもう一つが体が以上にだるいのでインフルエンザではないかと、従業員が疑っている場合です

今回はこの2パターンについての対応を検討していきたいと思います

ケース1:医者にインフルエンザだと診断されている場合

インフルエンザは伝染病ですから上の段落で出てきた1.の『病毒伝ぱのおそれのある伝染性の疾病にかかつた者』にあたるため出勤停止にできる

と、思いきや、実は『病毒伝ぱのおそれのある伝染性の疾病』というのは具体的な名前が挙がっており、インフルエンザはそれに含まれていません

ちなみに『病毒伝ぱのおそれのある伝染性の疾病』というのは結核とか梅毒とかですね

しかし、結核ほど強い感染性がなくとも、インフルエンザは伝染病の一種です

下手に出勤されては、会社でパンでミックを起こし、他の社員に迷惑がかかってしまう可能性があります

なので、この場合は会社としてはインフルエンザの社員に家で静養してもらいたいはずです

その為の根拠をどうするかというと、まず、大前提は医師の診断書です

医師がインフルエンザだと診断して、就業不可と診断していることが肝心です

そしてもう一つは就業規則です

就業規則は会社の法律です

それが法律や公序良俗に反したりしていなければ効力を発揮することができます

インフルエンザに罹患した従業員を休ませるということは公序良俗に反していないはずです

しかし、休業を命じるためには根拠が必要なので、インフルエンザなど会社が定める伝染病に罹患した場合は休業を命じることができる、という項目を就業規則に備えておきましょう

今までの内容をまとめると以下のようになります

まとメモ

インフルエンザで従業員を休業させるためには医師の診断書が必要

インフルエンザで従業員を休業させるためには就業規則にそういった項目を備えておくことが必要

ちなみにインフルエンザだけど医師が休ませる必要がないと判断したが、会社としては万が一をとって休業させたい場合については、会社都合の休業と判断されて、休業手当を支払う必要が出てくる可能性もあります

そのあたりは従業員と良く話し合ってケース・バイ・ケースで対応していきましょう

ケース2:医師の診断が無い場合

この場合はとにもかくにも医師の診断を受けてもらうことが先決です

そして、医師の診断が出てから上の医師の診断がある場合と同じように対応しましょう

ちなみに診断書を書いてもらうとお金がかかりますが、その部分を会社が負担せよという法律はありません

しかし、従業員が嫌がった場合は診断書がなくともインフルエンザだと認定して休ませることはもちろんできます

まとめ

人生色々。長い人生の中では大きな病気もすることでしょう

特殊な例に全て対応するのは難しいですが、インフルエンザのような起きやすいトラブルに関しては就業規則やマニュアルを備えることで、あらかじめ対応が可能です

何かあったときのために就業規則とマニュアルは適宜整備しておきましょう

今回は以上となります

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです