パワハラの定義。具体例について社労士が解説します

おはようございます、社労士の有馬です

平成28年6月に有名洋菓子店勤務の元社員が自殺した件に対して、平成30年6月22日に、元社員が自殺した原因は長時間労働と上司のパワハラによるものと認定されました

パワハラはメンタルだけでなく命を奪ってしまう危険なものです。そして恐ろしいことに、それらはえてして知らず知らずのうちに行われています

会社に求められるパワハラの定義、具体例について一緒に確認していきましょう

今回の記事

 

この記事を書いている私は勤務・開業合わせて社会保険労務士を4年ほど

最近パワハラやセクハラなどのハラスメントの問題が取り上げられることが多くなっているように感じます

先日大きな話題になったLGBTに関する報道についてもその一つと言えるかもしれません

従業員は会社の財産。従業員がいなくては会社は成り立ちません

そんな従業員さんに気持ちよく働いてもらうために、今一度パワハラについて考えてみましょう

※三分ほどで読める記事ですが、時間が無いという方はこの記事のまとめをご覧ください

パワハラの基準について確認

パワハラの基準について確認

パワハラについて厚生労働省はこのように定義づけています

  1. 職場の優位性を背景に
  2. 業務の適正な範囲を超えて
  3. 精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為

 

この三つに該当しているとパワハラと認定されます

少し難しい言葉が並んでいますので順番に解説していきましょう

1 職場の優位性について

職場の優位性を背景にといわれて、真っ先に思い浮かぶのが上司から部下へのハラスメントや先輩から後輩へのハラスメントが思い浮かぶでしょう

しかし、実はそれだけではなく、部下から上司へといったハラスメントもこの職場の優位性の中に定義されています

例を挙げると上司に仕事を丸投げして帰る部下社員といった事例でしょうか

現在のところ上司から部下へ、先輩から後輩へといったパワハラがメジャーですが、実のところ発覚していないだけでこの逆パワハラは結構起きているのではないかと思います

職場の優位性はその人の立場だけではなく、交友関係や知識、経験等の様々な優位性が含まれる事を知っておく必要があるでしょう

2 業務の適正な範囲について

業務の適正な範囲というのはかなり定義が難しいのですが

たとえば業務のミスを叱られたり(常識の範囲で)イヤな仕事を命じられたりというのはこの業務の適正な範囲からは外れません

なぜなら従業員は業務上の管理監督や教育指導に従う義務があるからです

なので、この場合はどこまでが業務の適正な範囲か決めておく必要があるといえます

小さな会社であれば全ての社員があらゆる業務を行うという会社もあるかもしれませんが、一応の業務の範囲を就業規則や雇用契約書に書いておいたほうが後々のトラブルを防止できるかもしれません

3 精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為

これに関してはそのままなのですが

要は常識はずれの大声で怒鳴ったり、所属部署の社員が見ている前で辱めるように叱責するなどの行為です。体罰なんてもってのほかですね。普通に犯罪です

2の業務の適正な範囲についてで述べたとおり、従業員は業務上の管理監督や教育指導に従う義務があります。そして上司(管理監督者等)も上司としてふさわしい従業員の管理監督、教育指導が求められます

行き過ぎた指導になっていないか管理監督をきちんと行う必要があります

パワハラの具体例

パワハラの具体例

パワハラの具体例について解説します

パワハラには6種類の類型があり、それぞれについて事例つきで紹介していきます

①精神的な攻撃

同僚の前で辱めるようにして叱責する。全員あてに送信されたメールで名指しで注意される。必要以上の長時間叱責を行う

②身体的な攻撃

殴る、蹴るなどの暴行。丸めた用紙で叩く

③人間関係からの切り離し

一人だけ部署から席を離される。送別会等に出席させない。強制的に自宅待機を命じる

④過大な要求

仕事のやり方が分からない人に対して(新入社員等)に対して仕事を押し付けて帰ってしまう

⑤過小な要求

運転手なのに草むしりを命じられる。事務職なのに倉庫業務だけを命じられる

⑥個の侵害

交際相手について執拗に問う。妻(夫)に対して悪口を言う

パワハラの対策について

パワハラの対策について

パワハラの対策の基本は相手を尊重するということです

そのために会社ができることは啓発、教育、対応窓口の設置でしょう

まず啓発ですが、パワハラについて会社が問題視しているということを従業員に周知しましょう

具体的な方法としては、メールでもいいですし、ポスターを作製して貼ってもいいと思います。朝礼がある会社なら、社長から一言あると効果的でしょう

次に教育ですが、パワハラについて全従業員に定義と意味について知ってもらいましょう

パワハラは部下から上司に対しても起こりえるということを一つ目の段落で書きました

全従業員にセミナーやパワハラについてまとめた文章を読んでもらい、パワハラについての認識を新しくしてもらう必要があります

最後に対応についてです

パワハラに関してはどれだけ対策していても受け取り方の問題がある以上完璧に対策することは不可能です

なので、パワハラの芽を摘み取ることが最も重要な対応かと思います

パワハラの内部窓口の設置や、社労士や弁護士などの外部窓口の設置など、従業員がすぐに相談できる環境整備が不可欠です

窓口を設置することにより、上司(管理監督者)などのパワハラを起こしてしまう可能性がある人でも対応を相談することができますので安心です

この記事をまとめると以下のようになります

この記事のまとめ

パワハラの定義

  1. 職場の優位性を背景に
  2. 業務の適正な範囲を超えて
  3. 精神的・身体的苦痛を与える又は職場環境を悪化させる行為

パワハラの具体的な事例

  1. 精神的な攻撃
  2. 身体的な攻撃
  3. 人間関係からの切り離し
  4. 過大な要求
  5. 過小な要求
  6. 個の侵害

パワハラの対策

  1. 啓発 <—-会社がパワハラについて危機感を持っていることを知ってもらう
  2. 教育 <—- 全従業員にパワハラの意味と定義について知ってもらう
  3. 対応 <—- 内部窓口、外部窓口を設置する

 

まとめ

 

パワハラの問題は一度浮上してしまえば大問題へと発展します

会社が信頼を失ったり経営が傾いたりするだけでなく、かけがえの無い命までも失うことになりかねません

パワハラについて知ってもらい、従業員が快適に過ごせる社内環境づくりを目指していきましょう

今回は以上となります

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです