契約書の重要性を改めてもう一度。労働条件通知書と雇用契約書

おはようございます、社労士の有馬です

労働条件通知書と雇用契約書について考えさせられるようなことがあったので記事にしたいと思います

お昼ごろバラエティ番組を見ていたらとある方の結婚の話題が取り上げられていました

その中で用立てされた金銭が借金なのか供与なのかという問題が取り上げられていたのですが

なぜそういうことが起きてしまったかというと、契約書が無かったからだそうです

お金を用立てした方は貸したと主張しているみたいですが、用立てされた方は供与だと主張しているのです

そこでふと頭をよぎったのが労働条件通知書と雇用契約書

社労士的には馴染み深い二つの書類ですが、この書類は実は結構トラブルの引き金になりがちです

そんなわけで、今回は労働条件通知書と雇用契約書について確認していきたいと思います

コンプライアンス(法令順守)の機運が高まり、働き方改革が始まる直前のこの時期に、もう一度見直しておくのといいかもしれませんね!

労働条件通知書と雇用契約書の違い

労働条件通知書と雇用契約書の違いとはなんでしょうか

ぶっちゃけ内容はどちらも違いはありません(早

実際、書名欄の有無だけで内容は同じという会社は多いと思います

それで大丈夫です。二種類あるという事が重要なのです

一応違いとしてはこの二つの書類は定義している法律が違っていて

労働条件通知書は労働基準法で決まっていて

雇用契約書は民法で決まっています

ふーん、そうなんだ、くらいで認識しとけば大丈夫です

もう少し具体的に言うと

労働条件通知書は記載事項が厳格に決まっていて、書面として労働者に通知する必要があります

対して雇用契約書は内容は自由で書面にする必要もありません

ではその厳格に決まっている記載事項とはなんなのでしょうか

書面にする必要がない雇用契約書が何故存在しているのでしょうか

その辺りを詳しく見ていきましょう

労働条件通知書に書いておくべきこと

労働条件通知書は記載事項が厳格に決まっているといいましたが、それは以下のように決まっています

  • 労働契約の期間
  • 更新の有無
  • 職場の場所。従事する業務
  • 始業と就業の時間。残業の有無。休憩・休日・休暇・ローテーション等
  • 賃金の支払い方法
  • 退職に関すること(解雇の事由含む

これらの項目を絶対的記載事項といいます

そして他にも以下のような決まりがある場合は、記載しておかなければならない事項があります

  • 退職手当に関すること
  • 臨時の賃金、賞与に関すること
  • 労働者に負担させる食費や作業用品費のこと
  • 安全衛生に関すること
  • 職業訓練に関すること
  • 災害補償・業務外の傷病扶助に関すること
  • 表彰・制裁に関すること
  • 休職に関すること

これらの項目の事を相対的記載事項といいます

基本的にはこれらの項目が全て書かれていれば書式はどんなものでもいいとされています

そして最初に言ったとおり、労働条件通知書として労働者に書面で交付しなければなりません

雇用契約書は何故必要なの?

書面にする義務もなく、労働条件通知書と内容が同じことが多い雇用契約書ですが、何故そんなものが必要なのでしょうか

存在意義は果たしてあるのでしょうか

実は、この書類はトラブル防止の観点からかなり重要な書類なのです

義務はないけど、絶対に書面にしておいた方が良い書類コンテストがあればかなり上位に食い込むことでしょう(1位じゃないのは民法は契約自由の原則があるから。実は書面にしなければならない契約書はそんなに多くない)

なぜなら雇用契約書は契約書ですから書名欄があるのです

つまり、労働条件通知書と内容が同じでも

書名欄があるので、労働条件通知書の内容を労働者が承諾しましたという強力な証拠となりえるのです

この点が一方的に交付する労働条件通知書との違いです

この話を始めて聞いたとき、最初に就職したとき書かされた雇用契約書がそんな恐ろしいものだったのかと戦慄した記憶があります

バラエティ番組で話題になっていた金銭トラブルもこの契約書があればそもそも問題にもならなかったと思うのですが

それくらい契約書というのは大事ということですね

得意先との商契約でついつい口頭で済ませてしまう場合も多いと思いますが、出来れば書面にしておいた方が安心かと思います

万が一の時に契約書があるのとないのとでは天と地ほどの差がありますから

もちろん雇用契約書の場合も同じです

雇用契約書のあるなしで、会社の立場がかなり違います

まとめ

小さな会社や個人商店などではパートや短期アルバイトの場合は労働条件通知書や雇用契約書を出さないといった話をたまに耳にします

万が一トラブルになった場合どうするんだろう、と思うのですが

労働条件通知書も雇用契約書も作成はそんなに難しいものではないですし、この記事の内容を参考にすれば十分作成できるものなので

もしそういったものがまだ無いという方は作成しておくことを強くオススメします

そして就業規則も備えておけばさらに良いと思いますね

就業規則に関してはこちら

就業規則の周知に関してはこちら

それでは今回は以上となります

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです