従業員の労働時間ってどう管理してます? 実は通達で指針が示されています

おはようございます、社労士の有馬です

働き方改革の三つの課題としてあげらているなかに『長時間労働』というものがありますが、これに対処するためには労働時間の正確な把握は不可欠です

しかし、ここで疑問として浮かび上がってくるのは労働時間ってどうやって把握すればいいの? ということです

色々な会社で様々な方法で労働時間を記録していると思いますが、こうしなければならないというものはあるのでしょうか

今回は実は労働時間の把握について示されているいわゆる『46通達』の『新ガイドライン』についてお話していきたいと思います

労働時間の管理でお悩みの方は是非参考にしてみてはいかがでしょうか

労働時間の正確な管理。いわゆる46通達とは

46通達とは平成13年4月6日に出された通達で『労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について』書かれています

この通達は長らく労働時間の管理についての指針になっていたのですが

平成29年1月20日に46通達の『新ガイドライン』というのが新たに発表されました

今思うと働き方改革のための新しいガイドラインだったんですね

46通達の新ガイドライン

46通達の新ガイドラインですが、46通達と中身はそれほど大きくはかわっていません

より厳しく、労働時間の把握が求められていることと、労働時間の考え方、賃金台帳についての項目が新たに追加されています

長時間労働につながりやすい部分や、未払い賃金に対しての考え方が厳しくなっている、という考え方でいいかと思います

その中で、労働時間の把握(46通達では『管理』という書き方でしたが、新ガイドラインでは『把握』という書き方になっています)はどうやっていけばいいのでしょうか

新ガイドラインでの労働時間の把握

新ガイドラインでの労働時間の把握はこのように通達がなされています

ちなみに長いので読まなくても大丈夫です。あとで重要なところはお話します

一応こんなことが通達されていますよ、ということだけ理解していれば大丈夫です

4 労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置
(1)始業・終業時刻の確認及び記録
使用者は、労働時間を適正に把握するため、労働者の労働日ごとの始業・終
業時刻を確認し、これを記録すること。
(2)始業・終業時刻の確認及び記録の原則的な方法
使用者が始業・終業時刻を確認し、記録する方法としては、原則として次の
いずれかの方法によること。
ア 使用者が、自ら現認することにより確認し、適正に記録すること。
イ タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録等の客観的な記録
を基礎として確認し、適正に記録すること。
(3)自己申告制により始業・終業時刻の確認及び記録を行う場合の措置
上記(2)の方法によることなく、自己申告制によりこれを行わざるを得な
い場合、使用者は次の措置を講ずること。
ア 自己申告制の対象となる労働者に対して、本ガイドラインを踏まえ、労働
時間の実態を正しく記録し、適正に自己申告を行うことなどについて十分な
説明を行うこと。
イ 実際に労働時間を管理する者に対して、自己申告制の適正な運用を含め、
本ガイドラインに従い講ずべき措置について十分な説明を行うこと。
ウ 自己申告により把握した労働時間が実際の労働時間と合致しているか否
かについて、必要に応じて実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をする
こと。
特に、入退場記録やパソコンの使用時間の記録など、事業場内にいた時間
の分かるデータを有している場合に、労働者からの自己申告により把握した
労働時間と当該データで分かった事業場内にいた時間との間に著しい乖離
が生じているときには、実態調査を実施し、所要の労働時間の補正をするこ
と。
エ 自己申告した労働時間を超えて事業場内にいる時間について、その理由等
を労働者に報告させる場合には、当該報告が適正に行われているかについて
確認すること。
その際、休憩や自主的な研修、教育訓練、学習等であるため労働時間では
ないと報告されていても、実際には、使用者の指示により業務に従事してい
るなど使用者の指揮命令下に置かれていたと認められる時間については、労
働時間として扱わなければならないこと。
オ 自己申告制は、労働者による適正な申告を前提として成り立つものであ
る。このため、使用者は、労働者が自己申告できる時間外労働の時間数に上
限を設け、上限を超える申告を認めない等、労働者による労働時間の適正な
申告を阻害する措置を講じてはならないこと。
また、時間外労働時間の削減のための社内通達や時間外労働手当の定額払
等労働時間に係る事業場の措置が、労働者の労働時間の適正な申告を阻害す
る要因となっていないかについて確認するとともに、当該要因となっている
場合においては、改善のための措置を講ずること。
さらに、労働基準法の定める法定労働時間や時間外労働に関する労使協定
(いわゆる 36 協定)により延長することができる時間数を遵守することは
当然であるが、実際には延長することができる時間数を超えて労働している
にもかかわらず、記録上これを守っているようにすることが、実際に労働時
間を管理する者や労働者等において、慣習的に行われていないかについても
確認すること。当然であるが、実際には延長することができる時間数を超えて労働している にもかかわらず、記録上これを守っているようにすることが、実際に労働時 間を管理する者や労働者等において、慣習的に行われていないかについても 確認すること。
<平成29年1月20日46通達新ガイドラインより引用>

長いですね

次の段落で大雑把にまとめます

新ガイドラインで示されていること

新ガイドラインで示されていることは大まかに3つです

一つはタイムカードやICカードにより正確な労働時間を把握すること

二つ目はタイムカードやICカードで把握できない場合は労働者に労働時間を自己申告させ、あわせてこのガイドラインについて説明すること

三つ目はその申告が適正に行われているかを確認し研修や、学習など、自主的なものではなく、業務命令として行われている場合は労働時間にカウントすること

大雑把にいうとこの三つのことについて示されています

さらにまとめると、基本はタイムカードなどで労働時間を正確に把握して、業務命令で何かをさせている場合は労働時間にカウントせよ、ということですね

まとめ

新ガイドラインはあくまでもガイドラインですので、法的な拘束力はありません

しかし、法に継ぐ強制力(?)はありますので、例えば労働時間について労働者からの訴えがあったばあい、このガイドラインを守っていないと、会社側は少なからず不利になることが考えられます

46通達が出された頃と違い、タイムカードは家電量販店でも購入できますので、手書きの帳簿などで労働時間を管理している会社は、働き方改革関連法案がスタートする頃までには何かしら導入しておいたほうがいいかもしれませんね

それでは今回は以上となります

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです

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