試用期間中に解雇って現実的にあるのだろうか【従業員視点で考えてみる】

おはようございます、社労士の有馬です

どこかのニュースで見たのですが今年の新卒内定率は90%に迫る勢いだそうです

1月も終わりに近づき卒業、就職が近づいてきている学生さんも多いと思いますが

実は、就職するとそのままずっと雇用されるわけではなく、通常は1~3ヶ月の試用期間というのが設けられています

いや、試用期間にクビなることなんてあるの? と思われるかもしれませんが

実はこの期間は仕事をしている上で解雇という面では最も危険な期間だといえます

ではどういうときに危険なのか。試用期間に関する法律はどうなっているのか

今回はその辺りをフォーカスしていきたいと思います

試用期間の法律は無い

いきなりですが、試用期間を決める法律というのはありません

もしかしたら14日という期間を聞いたことがあるかもしれませんが、その期間は解雇予告期間の例外の期間です

前条の規定は、左の各号の一に該当する労働者については適用しない。但し、第一号に該当する者が一箇月を超えて引き続き使用されるに至つた場合、第二号若しくは第三号に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至つた場合又は第四号に該当する者が十四日を超えて引き続き使用されるに至つた場合においては、この限りでない。

労働基準法第二十一条

昔の法律なので少し読みにくいですが、何が書いてあるかというと

通常解雇は30日前に予告するか、30日分の解雇予告手当を払う必要があるのですが、雇用してから14日以内の労働者に関してはその必要がない

と書かれています

一見試用期間について書かれているように思える法律ですが、あくまでも解雇予告の例外について規定されてあるだけで

試用期間について書かれているわけではありません

では試用期間はどのようにして決められるのでしょうか

会社側で適当に決めてもいいものなのでしょうか

まとメモ

労働基準法第21条は試用期間について決められているわけではない

試用期間は就業規則で決める

試用期間は就業規則で決めます

就業規則というのは法律で決められていないことを会社で決める、いわば会社の法律みたいなです。学校でいう校則みたいなものでしょうか

学校の校則は正直教師の胸先三寸みたいなところはあると思いますが(ない?)就業規則は法律に順ずる効果を発揮する非常に拘束性の強いものです

そして法律で決められていない試用期間は就業規則で決めることになります

ただし、無制限に期間を設定していいというわけではなく、期間は通常1~3ヶ月。どんなに長くても1年間とされています

これは裁判の結果(判例)などを参考にしてそのくらいの期間が適当であろうとされているためです

大阪読売新聞社事件やブラザー工業事件などがその参考になるかもしれません

気になる方は検索して調べてみてください

試用期間中が危険な理由

日本は解雇についてはかなり厳しい国です

しかし、試用期間中に限っては通常の解雇より少し解雇条件が緩い傾向があります

それは実際に仕事をしてみないと、人間関係や仕事に適正があるか分からないと考えられているからです

しかし、試用期間だからといって会社側が一方的に好き勝手に解雇できるわけではありません

ではどういうところを見られるのでしょうか。試用期間中に解雇となる場合はどういう場合なのでしょうか

試用期間中に見られるところ

試用期間中に見られるところは就業規則によって決まってきますが、大体この辺りがよく記載されています

  • 面接や提出された書類の記載事項が事実とは違っている場合
  • 会社が求める書類を提出しないとき
  • 仕事に適さないほど健康状態(精神の状態を含む)が悪いとき
  • 遅刻、早退、無断離業、欠勤が多いとき
  • 勤怠状況が著しく悪いとき
  • 採用の前提となった能力を発揮しない、必要なスキルを習得する能力がないと判断されたとき
  • 所属長やチューターの指示に従わない、協調性に著しく欠けるとき

などです

こんなときはイエロー信号。試用期間中に注意すべきこと

上で紹介した項目に当てはまるとすぐに解雇されるのかというと、そういうわけではありませんが

もしかすると自分が気づいていないだけで、該当している項目があるんじゃないかと、不安に思う人もいるかもしれません

そういう人のためにこういう状況になるとイエロー信号というのを、会社の仕組みの側からお教えします

ケース:1 何度も面談される場合

勤務態度や仕事の出来、人間関係について何度も面談される場合は黄色信号です

全員がされているなら問題ないですが、一人だけといのは危ないと思ったほうがいいでしょう

なぜなら試用期間中に解雇するには会社側は、労働者を職場になじませるよう努力することが必須だからです

ケース:2 いきなり配置転換された場合

一概には言えませんが、雇用されて1ヶ月ほどで配置転換された場合も注意が必要かもしれません

ケース:1と同様、配置転換も労働者を職場になじませる施策の一つとして行われている可能性があるからです

もっとも、配置転換先の部署にただ欠員が出ただけかもしれませんので、最初に書いたとおり、一概にイエロー信号とはいえません

ケース:3 試用期間を延長された場合

これは分かりやすいイエロー信号ですね

これを上司かチューターから告げられた場合は、心を入れ替えて真面目に働いたほうがいいでしょう

自分が会社に残りたいことと、どういうところがいけないのかをチューターや上司に相談するのも一つの手です

ちなみに試用期間はどんなに長くても1年です(それ以降も認められる可能性はありますが、通常はありません)

まとめ

色々脅すみたいなことを書いてしまいましたが、普通に働いていれば試用期間でも解雇されるということはありません

遅刻や欠勤もきちんと連絡していて、それが妥当な理由で、長期にわたったり何度も繰り返さない限りはそれを理由に解雇されるということはまずありません

それでも心配だという人は上司や先輩に相談してみましょう

どの会社でも言われると思いますが、ほうれんそう(報告・連絡・相談)は本当に大事なことです

それでは今回は以上となります

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです