試用期間中の従業員の解雇はトラブルになりやすいので注意(会社側の視点

おはようございます、社労士の有馬です

少し前に従業員視点での試用期間中の解雇について書きましたが、今回は使用者側の試用期間中の従業員の解雇についてお話していきたいと思います

試用期間中の従業員の解雇は特にトラブルになりやすいテーマです

実際にトラブルになりやすい部分を重点的にまとめてみましたので、良ければ参考にしてみてください

前回の記事からお読みいただくと、今回の内容がより理解しやすいかと思います

前回の記事もお時間があれば、是非ご覧ください

試用期間中の解雇に関する法律的なこと

試用期間に関する法律というのはありません

いつかの記事でも書きましたが、法律で決められていないことは就業規則で決めます

なので、試用期間中に関することは就業規則で規定しておく必要があります

逆を返せば就業規則できちんと規定しておかなければ、試用期間中の解雇は難しくなります

10人未満の会社(事業所)では就業規則の作成は義務付けられてはいませんが

法律で決まっていないことはたくさんあるので、10人未満の会社でも就業規則の作成はオススメしています

社労士が就業規則の作成をオススメしているのは実はこういう理由があるからです

試用期間中はどれくらいの期間設けるべきか

広告を出して面接をして場合によっては試験を行ったりと、従業員の雇用には費用がかかります

リクナビやマイナビなど、民間の就職斡旋業者を利用するとさらに費用がかかります

そんな費用をかけて、雇用した大切な従業員ですから、円満に会社で働いてもらうに越したことはないのですが、やはり短い期間での判断ですので、性格や能力の不一致というのはどうしても起きてしまいます

そんな時のために、試用期間というのを設けている会社がほとんどかと思います

試用期間の長さはまちまちですが、通常1~3ヶ月の範囲に収まるかと思います

判例でもそれくらいが適切とされ、どんなに長くても1年までとされています

その1年も、試用期間の延長という形で認められているという判例が確認できるというものになっています

なので試用期間は長くても3ヶ月くらいにしておくのが無難といえるでしょう

試用期間について就業規則で規定しておくべきこと

試用期間について規定しておくべきことは大きく4つに分けられるかと思います

まず一つ目が、期間

これは全段落で述べたとおり、1~3ヶ月くらいですね

適切と思われる期間を就業規則に記載しておくといいでしょう

次に書類の提出について

社会保険や労働保険の手続き、税金の手続きに際して従業員に用意してもらわなければならない書類はたくさんあります

そういった書類を提出しない、という場合は理由によっては本採用を見送るという条項があったほうがトラブルを防げるかと思います

3つ目は能力についてです

採用にあたって~~の能力のある者、といった条件を設けていて、いざ採用してみると、そういった能力が無いという場合が稀にあります

そういった場合に、試用期間中に会社が求める能力を発揮できない場合は本採用を見送る

あるいは一定の期間を延長して様子を見るといった項目は設けておくべきでしょう

他にも業務遂行が危ぶまれるほど健康状況が悪い場合(精神状態含む)についての規定もひつようでしょう

最後は勤務態度についてです

理由のない遅刻、早退、離籍が多かったり、チューターや上司の指示にしたがないなど、業務遂行への意欲が著しく低かったり、勤務態度が悪く、注意しても改善しない場合の対応を決めておかなければなりません

そのほかにも犯罪や、社員としてふさわしくない行動をとった場合にも解雇する場合があるというのは言うまでもありません

就業規則だけでは試用期間中の解雇はできない

じゃあ、これら4つの事項を就業規則に記載していれば試用期間中に解雇しても問題ないのかというと、実はそうではありません

判例からみるに、このほかにも、会社はそういった従業員を更正させる努力をしたかを見られるのです

具体的な例を挙げると、業務意欲に欠ける社員に対して指導をしたのか否かや、健康状態(精神状態含む)の悪い社員について医師の助言を求めたかなどです

もちろん、そういった対応を行った場合は、書類に残しておくことが重要です

この辺りは通常の解雇の場合と変わりませんね

とにかく対応をしたら証拠を残す。これはトラブル防止の基本でもあります

この記事のまとめ

まとめると、試用期間中の解雇は就業規則に解雇事由を規定しておき、解雇事由に該当する社員については更正させるべく適切な対応を行い、それを証拠として残す、といったことでしょうか

もちろん試用期間中の解雇など、使用者、労働者共にない方がいいのは言うまでもありませんが

万が一のトラブル防止のためにも就業規則を作成、規定し、マニュアルを準備しておくことをオススメします

それでは今回は以上となります

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです