おはようございます、社労士の有馬です
賞与。いわゆるボーナスとも言われるものですが、皆さんは実は賞与に2種類のタイプがあるのをご存知でしょうか
実はこの二種類のボーナスは属性がかなり違っていて、片一方は支払義務が発生する可能性が高く、片一方は支払義務が発生しない可能性が高いものとなっています
ああ、なるほど、あの話ね、とピンと来た人は大変素晴らしい勉強家です
逆に何の話? と思った人は今回の記事で私と一緒に確認をしていきましょう
賞与2種類。実はこんなに違う
賞与って季節外れのクリスマスプレゼントみたいですよね
ところが額の決め方によってはそれがクリスマスプレゼントではなく、月々のお小遣いと同じものとみなされる場合があるんです
つまり、恩恵的に与えられるものではなく、給料の一部として労働の対償として支払われるべきものとしてみなされる場合があるのです
そしてその属性の決め方は額の決め方によって決まります
すなわち
- 夏季・冬季二回。通常支払われる給与手当の○ヶ月分とされる場合
- 夏季・冬季二回。業績によって査定され、年又は従業員の業績によって異なる場合
この二種類です
よく見る賞与の決め方の代表格みたいなものかと思いますが
いったいこの二つは何がどう違うのでしょうか
一つ一つ確認していきましょう
夏季・冬季二回。通常支払われる給与手当の○ヶ月分とされる場合
まずは賞与の定義について確認していきましょう
賞与とは6月とか12月に会社がくれる報奨金みたいなものというイメージですが通達では
賞与とは、定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであつて、その支給額が予め確定されてゐないものを云ふこと。定期的に支給され、且その支給額が確定してゐるものは、名称の如何にかゝはらず、これを賞与とはみなさないこと。
(昭和二二年九月一三日)(発基第一七号)
古い文体でかかれていますが、要は支給額が確定されていなくて定期的に支払われないものが賞与であると書かれています
この文章を読んでお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが
通常支払われる給与手当の○ヶ月分というのは支給額が決まっているものに該当するのです
通達ではあらかじめ支給額が確定されていないものが賞与であるとされているので、あらかじめ支給額が確定されているものは賃金に該当すると考えられます
賃金は当然支払義務が発生します
つまり、この書き方だと労働の対償として支払う義務が生ずる可能性が高いというわけです(通達は法律に順ずるものなので、義務が発生するとまでは言い切れませんが、可能性は高いと考えられます)
夏季・冬季二回。業績によって査定され、年又は従業員の業績によって異なる場合
では次にもう一つの場合についてみてみましょう
夏季・冬季二回というのは先ほど説明した○ヶ月分の賃金の場合と同じです
ですが、年又は従業員の業績によって異なるという書き方をされていることから、支給額の決まったものとは判断されないということになります
つまり、労働の対償として支払う賃金とは判断されず、支払義務が生じない可能性は低い賞与であるということが出来るでしょう
まとめ
業績によって査定され、年又は従業員の業績によって異なる場合は賞与算定期間、会社・従業員の業績で賞与が決まるということを就業規則で決めておくとよいでしょう
また、支給日在籍要件を決めておくとさらにいいかもしれません
お金のことは何かしらトラブルになりやすい項目かと思います
いざというときに備えて明確に定義しておきたいですね
それでは今回は以上となります
この記事が皆様のお役に立てれば幸いです