就業規則って言葉をたまに聞くけどそれってうちの会社に必要なの?
就業規則が必要な会社と必要じゃない会社について教えてほしい
そもそも就業規則って何なの?
こういう質問に答えます
この記事の内容
就業規則とは
なぜ就業規則が必要なのか
作成する義務のある会社と義務のない会社
就業規則に書かなければいけないこと
この記事を書いている私は社会保険労務士として勤務・開業通算4年ほど
会社の法律ともいえる就業規則について詳しく解説していきます
就業規則とは
そもそも就業規則ってなんでしょうか
社労士が就業規則とかいうとひどく難しいイメージを持たれるかもしれませんが
実はこれ自体は全く難しいこともなくて、シンプルな言い方をすると
就業規則とは会社の規則のことです
でも社会には一般常識があるし、世間には法律もあるのに
なぜわざわざ就業規則なんて作らなければいけないのでしょうか?
そのあたりを次の段落で詳しく見ていきます
なぜ就業規則が必要なのか
就業規則が必要な理由は賞罰の根拠となるからです
例えば遅刻した従業員さんがいたとします
一度や二度ならまあ、人間誰しもあることですし、上司に怒られるくらいで許されると思いますが(かくいう私も一度したことあります。無茶苦茶怒られました)、常態化してくると、なんらかの対処をせざるを得ません
その対処の方法でまず挙げられるのが減給でしょうが、しかし、この減給を行うためには実は就業規則が必要なのです
またトラブルを未然に防ぐためにも就業規則は必要不可欠です
例えば法定休日に従業員さんに労働をしてもらうと35%増しの休日手当を支払う必要がありますが、週休2日制の場合、果たしてどちらが割増賃金の対象となる法定休日なのでしょうか
こういったトラブルを未然に防ぐためにも就業規則が必須なのです
作成する義務のある会社と作成する義務のない会社
就業規則は作成したら労基署に届出、社員に周知しなければいけないのですが(作成・届出・周知の義務を怠ると罰金30万円が課される可能性があります)
とはいえ、就業規則はどの会社も作らなければいけないというわけではありません
作成・届出する義務のある会社と作成・届出する義務のない会社があります
作成・届出する義務のある会社とは
常時10人以上の労働者(パート・アルバイト社員含む)が一つの事業所で働いている会社です
ちなみに一つの事業所とは会社全体のことでなく、例えば、全体で20人以上労働者がいる会社でも、本社に8人、二つの支店に6人づつという、どの事業所も労働者が10人未満の場合は就業規則の作成し届ける必要はありません
とはいっても前の段落で述べた通り、トラブルを避けるためにも就業規則はなくてはならないものです
10人未満の事業所でも就業規則は作成し労働者に周知しておく方が、会社にとってリスクはより少なくなるでしょう
就業規則に書かなければいけないこと
就業規則に書かなければいけないことは法律で決まっています
それは絶対的記載事項と相対的記載事項です
絶対的記載事項
① 始業及び終業の時刻、休憩時間、休日、休暇並びに交替制の場合には就業時転換に関する事項
② 賃金の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
③ 退職に関する事項(解雇の事由を含む。)
相対的記載事項
② 臨時の賃金(賞与)、最低賃金額に関する事項
③ 食費、作業用品などの負担に関する事項
④ 安全衛生に関する事項
⑤ 職業訓練に関する事項
⑥ 災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
⑦ 表彰、制裁に関する事項
⑧ その他全労働者に適用される事項
絶対的記載事項とは絶対に記載しなければいけない事項です。就業規則を作成する上で必須の事項です
相対的記載事項とは逆にその決まりがあれば書かなければいけない事項です。
例えば表彰や制裁の事項を決めなければ記載しなくてもいいのですが、ある場合は必ず記載しなければいけないということです
まとめると、就業規則を作る上で決めなければならないこと(絶対的記載事項)と、決めてもいいこと(相対的記載事項)があるということですね
この二つさえちゃんと書いてあれば、就業規則に関する義務は全うできます
しかし、この二つの部分はあくまでも最低限の会社の決まりですので
せっかく作るなら会社の独自のルールを取り入れましょう!
それは会社の理念でもいいですし、賃金制度でもいいですし、評価制度でもいいです
就業規則は従業員さんに周知するものですから、会社の決まりや、会社がどのような部分を評価したいのか、どのように成長していきたいのかを知ってもらうきっかけになるということです
是非従業員さんと話し合って会社独自の就業規則を作成してみてください。就業規則は成長する会社を作るためには欠かせません!
まとめ
就業規則は賞罰の根拠となります就業規則は10人以上の労働者がいる事業所には作成・届出・周知が義務づけられています
就業規則には絶対的記載事項と相対的記載事項があります
就業規則は会社のルールであると同時に従業員さんと理念を共有するツールでもあります。是非会社独自のルールを設けてみましょう!
以上となります
この記事がお役に立てれば幸いです