自社に合った就業規則が必要な理由。モデル就業規則と法令との違いを解説します

おはようございます、社労士の有馬です

今回は就業規則とコンプライアンス(法令順守)の話題です

働き方改革関連法案の実施を目前に控え、過重残業や未払い賃金の問題が厚生労働省のHPでも頻繁に取り上げられたり、パワハラ専門のHPが作成されたりと、施行へのカウントダウンが着々と進んでいるように感じます

企業のコンプライアンスに対する意識はますます高いものが求められるようになるでしょう

さて、こういった法令的なコンプライアンスはもちろん守らなければいけないもので、コレに関しては罰則があるので、制度施行時の混乱はあれど、徐々に浸透していくのかなと思うのですが

社内コンプライアンスがきちんと定められ、実行されている会社は実は存外少ないのではないかと思います

最近の労務トラブルを見ると、従業員側の法的な知識が上がっている傾向がありますし、ネットで簡単に調べられることから、企業の法務リスクはこれから徐々に上がっていく傾向にあります

そこで今回は企業のコンプライアンスの柱である就業規則と、厚生労働省が配布しているモデル就業規則では対応できなくなってきた理由を解説したいと思います

会社に何故オリジナルの就業規則が必要なのか

そもそも何故就業規則が必要なのでしょうか

法律では10人以上の従業員がいる会社は就業規則の作成が義務付けられていますが

この10人という人数は50人以上から選任義務がでてくる衛生管理者や産業医などと比べてかなりハードルが高いように感じます

労働基準法や労働契約法で罰則ありで法律が定められているのに、何故就業規則はここまで厳しく定めるように言われているのでしょうか

まずは法令と就業規則の違いについてみていきましょう

法令と就業規則の違い

法令とはいわゆる労働基準法や労働契約法などの法律のことです

条例や規則を含めることもあります

対して就業規則も似たような機能があります

どちらも決められた規則に違反すると何かしらの罰則を受けることになりますが

実はこの二つの違いは法律として国が定めているか、就業規則として会社が定めているかの違いしかありません

では何故全部を法律で決めてしまわないのかというと

法令は一度決めてしまうと撤回が非常に難しいので、最低限の事項しか決められないからです

例えば年金法は時代に合わせてころころ変わるおかげで経過措置が大量にあり、社労士ですら混乱するほどややこしいものになっています

このように法律を変更するときは色々な弊害がでてきてしまうのです

なので、法律は最低限のことだけを決めて、他の事項は自分たちである程度決めてもらおうとでてくるのが就業規則です

就業規則は会社の法律というべきもので、日本国の法令や公序良俗に違反しない限りは(話し合いの上で)好きに決めることができます

なので10人以上の事業所に作成、労働基準監督署に提出する義務があるという風になっています

就業規則が必要な理由

法令で決められていないことを決めるのが就業規則ですが、この就業規則がないと非常に困ったことになる可能性があります

いえ、非常に困ったことになります

例えば罰則についてですが

法令で決められた部分に関してはもちろん国が罰則を与えてくれるのですが

法令で決められていない部分に関しては罰則が与えることができないのです

遅刻5回で反省文というような会社があった場合、これが就業規則に記載されていないとパワハラやモラハラとして逆に訴えられる可能性があります

窃盗に対して罰則を与えるのに法律的な根拠があるように、遅刻に対して罰則を与える場合にも就業規則という根拠が必要になってくるのです

そのほかにも給与やボーナスなどももちろん法律に定められていませんので、就業規則で決めておいたほうがいいでしょう

労務トラブルを見ていると、就業規則をきちんと定めておけば事前に防げておけたであろうトラブルは結構あります

モデル就業規則とオリジナル就業規則

就業規則が必要な理由を再確認したところで今度はモデル就業規則についてみていきましょう

モデル就業規則というのは厚生労働省がHPで配布している就業規則のことです

厚生労働省が作成しているので法令違反はなく作成が義務付けられた会社はとりあえずコレをコピーして持っていくという会社結構多いと思います

しかし、もちろん法令上はそれで義務を果たしたことにはなるのですが

これからのリスクを考えるとモデル就業規則を使い続けるというのは少し厳しいものがあるのではないかと思います

というのも、モデル就業規則は色々な会社に使ってもらうことを前提として作成されているので、本当に汎用的で最低限のものだからです

つまり、先ほど取り上げた罰則や給与、ボーナスについてはほとんど何も決められていないのです

最初のほうにも書きましたが、労働者の法律的知識が上がっており、ネットなどで簡単に調べられることから、これまではトラブルになっていなかったような出来事がトラブルに発展しているケースがよくあります

10人以上の会社で初めて就業規則を作成するという場合はモデル就業規則をコピーして使うのではなく、自社に合った就業規則を作成するのを強くオススメします

まとめ

就業規則は10人以上の会社は作成、労働基準監督署に提出の義務がありますが、10人未満の会社が作成してはいけないということはありません

むしろ10人未満でも従業員を雇用しているなら作成しておいたほうがいいでしょう

オリジナルでなくともモデル就業規則を備えているだけでも労務トラブルを予防できる可能性があります

オリジナルの就業規則を作成したいという会社は当事務所でもご相談を承っていますので是非ご連絡ください

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それでは今回は以上となります

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです