台風で怪我は労災申請できる? 社労士が解説します

おはようございます、社労士の有馬です

先日の台風21号はすさまじかったですね。大阪に住んでいてあんなに強い風が吹いたのは初めてでした。突風で窓ガラスが割れるのではないかとビクビクしていました

さて、そんな大型台風ですが、社労士的によく聞かれる質問は台風で怪我した場合労災にあたるか否か

そのあたりを今回は詳しく解説していきたいと思います

もくじ

この記事を書いている私は社労士として4年ほど

労災はめったに起こらないだけに、曖昧になりがちな項目です。今回の事をきっかけに知識の見直しをしておきましょう

労災の基本的な考え方

労災の基本的な考え方

まずは労災の基本的な考え方についてです

労災は仕事中や通勤途中の怪我・病気なら100%労災認定されるわけではなく、基準に即さないといけない点は要注意です

労災については過去の記事でも取り上げたことがありますのでよければそちらも参照してください

通勤災害の経路のはなし

通勤災害の経路のはなし社員が届出とは違う道で通勤中にケガをしたんだけど、これって通勤災害になるの? もしなるとしたらなんで届出を出させるの?

通勤災害の事例について知りたい

こういう質問に答えます

さて、労災はまず二つの項目に分けられます

仕事中の怪我に対する労災と

通勤途中の労災の二つです

そしてこの二つでは考え方に違いがあります

一つ目の仕事中の怪我に対する労災に関してですが、こちらが認定される基準は業務遂行性と業務起因性にあります

業務起因性とは業務が原因になったことを意味します

噛み砕いていうと、この仕事をしていたからこういう怪我を負ったのだ、と説明できるということです

続いて業務遂行性ですが、これは業務中の傷病であるということを意味しています

こちらも噛み砕いて説明すると、仕事中に怪我、病気になったということです

まとめると以下のようになります

仕事中の怪我に対する労災

業務起因性 → やっていた仕事に関連して労災に遭ったこと

業務遂行性 → 仕事中に労災に遭ったこと

次は通勤途中の労災についてです

通勤途中の労災が認められる基準は通常の通勤に伴う危険が具体化したものと認められる場合です

つまり、通勤ルートに潜む危険が実際に起こった場合とされています

通勤途中の労災

通常の通勤に伴う危険が具体化したものと認められる場合

自然災害に関する労災

自然災害に関する労災

上の段落で労災の考え方について確認したところで、今回の本題である台風での労災は認められるかについて考えてみましょう

台風により仕事中に労災に遭った場合

まず、仕事中に労災に遭った場合ですが、この場合は業務遂行性はあっても業務起因性は無いと考えられます

つまり、労災とは認められないということです

また通達でも

暴風雨等の天災地変は「それ自体としては業務と無関係な自然現象」で、労働者は、事業主の支配下にあるか否かに関係なく危険にさらされます。ですから「たとえ業務遂行中に発生したものであっても、一般的には業務起因性は認められない」
(昭49.10.25基収第2950号)

 

とされています

このことから、台風によって仕事中に負った怪我は、労災とはならない可能性が高いと考えられています

通勤途中に台風によって労災に遭った場合

次に通勤途中に台風によって労災に遭った場合ですが、この場合も労災に認定されないと考えられています

通勤途中の労災は通勤経路にある潜在的な危険が具体化したことですから、台風等の天変地異は一般的には労災認定されないことになっています

ただし、その土地が潜在的に自然災害や天変地異に巻き込まれやすい土地である場合は通勤災害が認められる場合があります

まとめ

いかがだったでしょうか

台風での怪我が基本的に労災認定されないというのは結構意外な結果だったと思います

ただ、労災認定されないからといって、労働者が何も保護されていないわけではありません

台風の日に出勤して怪我した場合は会社が労働者の安全配慮義務を欠いたと解される場合があります

会社は労働者への安全配慮義務があることを認識しながら出勤や仕事の判断をする必要があるでしょう

今回は以上となります

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです