おはようございます。社会保険労務士の有馬です
テレワークという言葉は最近よく耳にするようになってきました
2020年には東京オリンピックも控えていて、その時に起こるであろう渋滞緩和に一役買うと期待されているようです
実際ロンドンオリンピックの時にもイギリスでテレワークを導入したことにより、交通状態がかなり緩和された実績があります
そんなテレワークとは一体どういうものなのでしょうか
テレワークを導入することによってどういうメリットがあるのでしょうか。また、テレワークを導入するデメリットとは
今回はテレワークについて詳しく説明していきます
この記事の内容
この記事を書いている私は勤務・開業合わせて社会保険労務士を4年ほど
今回は今話題のテレワークについて詳しく解説していきます
テレワークとは。まずは言葉の意味を知ろう
テレワークとはtele(離れたところで)work(働く)という造語で、距離に関係なく働ける環境を作成することをさします
自宅で仕事をする在宅勤務に代表される働き方や、モバイルワーク(外出先で働く)、サテライトオフィス(勤務先以外のオフィスで働く)等、様々な方法があり
こういった働き方は、小さな子供がいる労働者や、介護を必要とする家族のいる労働者、定年退職後の体力が衰えてきた高齢の労働者等に注目されています
少子高齢化で労働者の数はどんどん減少してきているといわれています
一方で、上記のような事情で働きたくても働けないという人も年々増えてきています
ITインフラが整ってきた現在では、セキュリティや管理方法の問題を除けば、会社に出勤する必要性は薄れてきているといえるでしょう
会社の未来を創るための一つの方法としてテレワークは非常に有力な方法だと社会保険労務士の立場からも感じています
テレワーク導入のメリット
そんなテレワークにもメリットとデメリットがあります
テレワークを導入することによって起こるメリット・デメリットをこの段落で解説していきます
テレワークを導入するメリット
テレワークを導入するメリットは3つあります
- お金 = 通勤手当、地代家賃、電気代の節約
- 人 = テレワークの働き方を望んでいる人は多い。小さな子供のいる家庭。介護を必要とする家族のいる家庭。体力の衰えた高齢の労働者。外に出たくない若者等の需要
- メンタル = ワーク・ライフ・バランスが正常になりやすい。通勤時間をなくせる。子供と一緒の時間を過ごせる。人間関係での軋轢が起こりにくい。
こうして書きだしてみるといいことだらけですね
一つ一つみていきましょう
お金に関するメリット
まずはお金の話です
テレワークを導入することによってかなりの経費を削減できます
例えばざっと思いつくだけでも通勤費、地代家賃、電気代が挙げられ、その中の通勤費を例にとると
例:社員20人で通勤費の平均を一万円支給している会社
一万円(通勤費) × 20(人数) × 12(月) = 240万円
となり、通勤費だけでも240万円の節約になります
これを製造業の平均利益率4%で売上に換算すると
240万円 ÷ 4% = 6千万円
という数字が出てきます
すごい数字がでてきましたね
テレワークを導入するだけで、利益率4%の製造業なら、なんと年間6千万円もの売り上げをプラスアルファで得ることができるのです
他にもテレワークを導入することによって削減できるコストはまだまだあります
自社に導入したらどういうメリットがあるのか一度想像してみるといいでしょう
人に関するメリット
小さな子供がいる家庭や、介護を必要とする家族がいる家庭、あるいは体力の衰えてきた労働者など、働きたくても働けないという人は世の中にはたくさんいます
そういう人たちにおすすめな働き方がテレワークです
子供と一緒の時間を過ごす。子供の面倒を見る。介護を必要とする家族の様子を見るというのはこういう人たちにとっては働く上での前提条件となっています
しかし、出勤し会社で仕事をするといった従来の方法ではなかなかそのニーズを満たすことができません
その結果、キャリアを積む重要な時期に空白ができてしまい、いざ社会復帰しようとした際に非常に不利になってしまいます
そういった方々にテレワークという働き方を用意するということは、人材確保の点で大きなメリットとなるでしょう
小さな子供がいる家庭や介護を必要としている家族がいる家庭こそ、仕事をしたいと思っている人は多いはずです
体力の衰えてきた高齢者も同じです
高齢者は若者にはないこれまで培ってきた経験と知識があります
しかし、会社に出勤できない、体力に不安があるという点のみで働けないと思っている人は実は結構いるのではないでしょうか
家から出られないのは高齢者だけではありません
最近の若者はなるべく外に出たくないという人が増えているように感じます
とはいえどこれは私の肌感覚なので、どこに根拠があるのかといわれると困るのですが
一応その根拠としてはコミニケーションの希薄化と合理的な考え方という二点があげられます
要はコミニケーションの場が広がって職場に対する重要度が下がったのと、スマホやパソコンに親しんだ世代は実態あるものの価値が相対的に下がったということです
実際に仕事場に行って働くことに抵抗を感じる若者が増えているということですね
こういった人たちはどんどん増えてくるかと思います
これは悪いことではなく、社会がそう変わってきているということです
その証拠に月間社労士という社会保険労務士向けの雑誌があるのですが
その雑誌によると、とある中小企業ではテレワークの求人を募集したところ、600人以上の応募があったそうです
テレワークといった働き方がどれだけ望まれているかわかる事例かと思います
労働者のメンタルに関するメリット
テレワークは労働者のワーク・ライフ・バランスの正常化にも役に立ちます
まずは通勤時間の削減
通勤時間がなくなるということは、それだけゆっくりと朝の時間を過ごせるということです
これまで通勤に一時間かかっているのなら、その時間にコーヒーを飲んだり朝食を食べたり睡眠に使ったりできるわけです
さらに帰宅に使っていた1時間もなくなるわけですから、自分の時間をより確保できるようになります
自己研鑽に使ったり家族と一緒に過ごしたりとこれまでにない使い方ができます
さらに人間関係でおこる軋轢も逓減してくれます
会社をやめる理由の不動の一位は人間関係です
実は仕事が嫌でやめるという人は結構少ないのです
嫌な仕事は終わればそこで済む話ですが、人間関係は仕事を続けている限り続きますから、解消するには仕事を辞めるしかないということですね
そういった人間関係のトラブルをテレワークは逓減してくれます
お金や人材確保の話もしましたが、私は実はこの効果が一番テレワークの導入の中で大きいと思っています
CS(顧客満足度)とES(従業員満足度)は相関関係にあり、ESが上がるとCSもあがるという調査結果がでています
会社の未来を創るにはESを上げる
テレワークはそのための強力なツールになりえるでしょう
まとめ
今回は以上となります
長くなりましたので、テレワークを導入するデメリットについては次回の記事で詳しく解説します
この記事が少しでもお役に立てれば幸いです