通勤災害の経路のはなし

社員が届出とは違う道で通勤中にケガをしたんだけど、これって通勤災害になるの? もしなるとしたらなんで届出を出させるの?

通勤災害の事例について知りたい

こういう質問に答えます

この記事の内容

通勤災害とは

通勤経路を届けさせる理由

こんな理由でも通勤災害になる場合がある。逆にこんな場合は通勤災害にならない。通勤災害の事例

 

この記事を書いている私は勤務・開業として社会保険労務士を4年ほど

労災の中でも特に多い、通勤災害の疑問についてお答えします

通勤災害とは

通勤災害とは労働者災害補償保険法ではこう書かれています

第七条 この法律による保険給付は、次に掲げる保険給付とする
一 労働者業務上負傷疾病、障害又は死亡以下「業務災害」という。)に関する保険給付
二 労働者の通勤による負傷疾病、障害又は死亡以下「通勤災害」という。)に関する保険給付
三 二次健康診断給付
2 前項第二の通勤とは、労働者が、就業に関し、次に掲げる移動を、合理的な経路及びにより行うことをいい、業務の性質を有するものを除くものとする
一 住居と就業の場所との間の往復
二 厚生労働省令で定める就業の場所から他の就業の場所への移動
三 第一に掲げる往復に先行し、又は後続する住居間の移動(厚生労働省令で定める要件に該当するものに限る。)
3 労働者が、前項に掲げる移動の経路を逸脱し、又はに掲げる移動を中断した場合においては、当該逸脱又は中断の間及びその後の同に掲げる移動は、第一第二の通勤としない。ただし、当該逸脱又は中断が、日常生活上必要な行為であつて厚生労働省令で定めるものをやむを得ない事由により行うための最小限度のものである場合は、当該逸脱又は中断の間を除き、この限りでない。
<労働者災害補償保険法 – e-Gov法令検索より引用>

 

この法律に書かれてある大事な部分は第二項の部分で

要約すると

  1. 就業に関して
  2. ①住居と就業場所を ②就業の場所から他の就業場所を ③住居と就業場所との往復に先行し、または後続する住居間の移動 を
  3. 合理的な経路、および方法で

この3つの要素がないと通勤災害とは認められないということです

もう少しかみ砕いて言うと

①仕事場へ ②仕事をしに(または仕事の帰りに) ③普通の方法と道順で

移動している最中にケガをした場合に通勤災害と認められるわけです

なので合理的な経路、方法であれば届出されている通勤経路と違っても労災として認定される可能性があるのです

ではなぜ、通勤経路を提出させるのでしょうか

通勤経路を提出させる理由

 

それでも通勤経路を提出させる理由はやはり提出してもらった通勤経路が基本的には合理的な経路、方法として認められるからです

しかし、前の段落でも書いた通り、あくまでも合理的な経路、方法で通勤していれば労災認定はされるので、あくまでも提出してもらっている経路は目安、ということになるのかもしれません

通勤災害認定されるかどうかは提出された通勤経路とは関係ない場合もあります

なので労務管理担当者は届出された通勤経路と違うから通勤災害にならないとすぐに突っぱねないで、一度労働局の相談窓口か、お近くの労基署に聞いてみてください

とはいえ例えば電車通勤で申請していて実際には自転車で通勤している場合はまた別の意味で問題になってくるでしょうが

こんな理由でも通勤災害になる場合がある。逆にこんな場合は通勤災害にならない。通勤災害の事例

 

通勤災害と認められるケガについて最後に少し解説したいと思います

例えば通勤中に足をくじいたとか、駅の階段で転んで捻挫したとかならわかりやすいですが、ハチに刺されたとかならどうでしょうか。犬にかまれた場合は通勤災害になるのでしょうか

例えばこういうケースを考えてみます

AさんはJR大阪駅付近に住んでいて、会社まで徒歩で通っています。そのAさんが通勤中にハチに刺されてしまいました。

これは通勤災害でしょうか?

おそらくこのケースは通勤災害には認められないと思います

というのも通勤災害とは通勤と災害に相当因果化関係があることが重要で、通勤経路に内在する危険が通勤に伴って具体化することだからです

平易に言い換えると、通勤をしているときに予想されるような災害でケガをしたということでないと、通勤災害とは認められないということなんです

なので、この例のAさんの場合は、都会に住んでいることから、ハチに襲われるという危険は通常あまり考えられないので、通勤災害と認められない可能性が高いと考えられます

仮にこのAさんが『ハチに注意!』と書かれている看板が多数設置されている地域なら通勤災害に認定される可能性が高いということになります

あと余談ですが

これは本当か嘘かわからないので話半分(以下)で聞いてほしいのですが、銃で撃たれた人が通勤災害を認められた事があるという話を小耳にはさんだ事があります

もしこれが本当なら昔の大阪は銃弾飛び交う危険地域だったということになりますが……そ、そんなことありませんよね?

おそらく私に通勤災害が認められる事例をわかりやすく説明しようとして極端な例を挙げただけのことでしょう

ちょっと調べたのですが、そのような事例は見当たりませんでしたし、たぶんそうなのだと思います

ですが、通勤災害の考え方として、仮に(仮にですよ?)大阪が銃弾飛び交う危険地域だとするならば、通勤中に銃で撃たれれば通勤災害に認定される可能性はあるといえるでしょう

まあ、銃を撃った誰かがいるので、通勤災害というか第三者行為災害ですが

いやまあ、そもそも銃の所持は基本的に認められていないのでそれ以前の問題がある気もしないでもないのですが

まあ、ちょっとした頭の体操として紹介しました

結局何が言いたいのかというと、どんな理由でも通勤中のケガなら通勤災害認定される可能性があるので、確認は大切! ということですね

まとめ

 

いかかがだったでしょうか

この記事がすこしでも通勤災害についての疑問を晴らすことができれば幸いです。