【概要】有期契約労働者の無期転換ルール。社労士が解説します【解説】

おはようございます、社労士の有馬です

有期契約労働者の無期転換ルールについての改正が5年ほど前に行われましたが、現在、丁度その転換期ということもあり、不安に感じている人も多いのではないでしょうか

また、クーリングなどが難しく、本当に無期転換していいのか分からないといったお悩みもちらほら耳にします

これから長きにわたって付き合っていく無期転換ルールについて、この記事でもう一度確認をしていきましょう

もくじ

この記事を書いている私は社労士として4年ほどの経験があります

労働者の雇用条件はその人の生活を左右するものですから、労基署も裁判所も非常に注目して重視する項目です

今現在有期契約で労働者を雇っている会社は多いと思いますが、そういった会社は無期転換ルールについてキチンと把握しておく必要があります

この記事を読んで私と一緒に有期契約労働者の無期転換ルールについてもう一度確認をしておきましょう

有期契約労働者の無期転換ルールについての概要

有期契約労働者の無期転換ルールについての概要

有期契約労働者の無期転換ルールは以下のようにまとめることができます

どう一の使用者(企業)との有期契約労働が更新されて五年を超えると、労働者の申込みによって無期労働契約に転換されるルールです

意外に単純ですね?

そうなんです。無期転換ルールの本体に関しては意外と単純なんです

注目すべき点について解説すると、まずは5年という点

1年ごとに契約を更新している有期労働契約を結んでいる労働者なら、6年目の契約時に無期転換を申し込む権利が発生するということですね

ちなみに3年、3年と、3年ごとに更新している場合はどうなるかというと、3年目が終わった時点で無期転換を申し込む権利が生まれます

契約によっては5年出ないことは注意するべき点ですね

ちなみに無期転換の申込期間は次の有期契約労働期間の間です

1年ごとの更新なら6年目の間中が無期転換への更新を申し込める期間

3年ごとの更新なら2度目の有期契約の3年間の間中ということですね

また、有期契約労働者から無期転換の申込みを受けた場合、会社は断ることはできません

しかし、正社員と同じ待遇にせよ、という制度ではないということは押さえておくべき点かもしれません

この無期転換ルールはあくまでも有期契約労働者を無期契約労働者にするための制度です

ワンポイントまとめ

無期契約への転換の申込み権利は5年目を含む契約期間に発生する

無期契約への転換の申込みは5年目を含む契約期間の間中

無期契約の転換の申込みを受けたら会社は断ることができない

無期契約への転換は正社員と同じ待遇を求めているわけではない

無期転換ルールの目的

無期転換ルールの目的

無期転換ルールはそもそも何故つくられたのでしょうか

一つには雇止めについて明確に定義する必要性からこのルールは発生しました

無期転換ルールができる以前では明確な決まりがなく、今までの裁判例から違法性の判断や指導がなされていました

社労士試験でも頻出しているくらいこの問題は一般的で、それゆえに無期転換ルールとして明確な位置づけを与えられたということです

このことに何が変わったのかというと、強制性が発生したということですね

無期転換を申込みされた会社は断れない、と定められているのはそういう理由だと思います

そしてもう一つの理由は有期契約労働者の生活の安全の保証と、会社の人材の確保の仕組みづくりです

労働者側からすれば無期契約になって安心で、会社側からしてみれば、契約年数を考えることなく社員の教育に力を注げるということになります

まあ、身も蓋も無い言い方をすると、今まで暗黙のルールだったのが明示されたルールに変わっただけなんですけどね

そう考えると、はっきりした対応が取れるようになっただけトラブルの種が減ったという見方もできます

その為にも有期契約から無期契約に変更する場合の手続きや、無期契約に変わった人のための就業規則を準備しておきましょう

前の段落で無期契約に変えても正社員と同じ待遇にする必要はないと書きましたが、就業規則であらかじめ待遇を決めておかないと、どの待遇を適用しなければいけないか分からなくなります

場合によっては正社員と同じ待遇をしなければいけなくなる可能性があるので、就業規則はキチンと整備しておきましょう

無期転換ルールで最重要。クーリングについて確認

無期転換ルールで最重要。クーリングについて確認

おそらくこの記事を読んでいる人(無期転換ルールについて知りたい人)が最も疑問に思う二つのうちの一つがこのクーリングについてでしょう

ちなみにもう一つは後述する雇止めについてでしょう

まずはこのクーリングについて解説をしていきます

クーリングについて

クーリングとはざっくり説明すると、雇っていない期間が6ヶ月あると、その前の期間は無期転換ルールが発生する5年に含まれないという仕組みのことです

6ヶ月と書きましたが、これは無期契約期間前の通産有期契約期間が1年以上の場合で(脳みそがかゆくなるような言い方をしましたが、要は1年以上同じ会社で働いている場合です)

無期契約期間前の通産有期契約期間が1年未満の場合はクーリング期間が短くなります

無契約期間の前の通算契約期間 契約がない期間(無契約期間)
2ヶ月以下 1ヶ月以上
2ヶ月超~4ヶ月以下 2ヶ月以上
4ヶ月超~6ヶ月以下 3ヶ月以上
6ヶ月超~8ヶ月以下 3ヶ月以上
8ヶ月超~10ヶ月以下 5ヶ月以上
10ヶ月超~ 6ヶ月以上

これがどんな場合かというと、一度無期契約に変わって、退職して、再度同じ使用者(会社)に有期契約で雇われた場合ですね

まあ、めったにないと思うので、頭の片隅にでもおいといてください

通常は6ヶ月間がクーリング期間という認識で大丈夫です

ワンポイントまとめ

クーリングは一定期間、雇われていない期間が開くと、有期契約期間を通算しない制度

クーリング期間は通常6ヶ月。ただし、例外あり

有期契約者の雇止めについて確認

有期契約者の雇止めについて確認

最後は雇止めについて確認をしておきましょう

ここでいう雇止めとは無期転換ルールが適用される5年未満で故意に有期契約を打ち切ることを意味しているのですが

基本的にこの雇止めを禁止する法律はありません

しかし、労働契約方の雇止め法理というのがありまして「客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないとき」にはその解雇が無効とされる場合があります

客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められないときというのは例えば以下のようなことです

①過去に反復更新された有期労働契約で、その雇止めが無期労働契約の解雇と社会通念上同視できると認められるもの

②労働者において、有期労働契約の契約期間の満了時にその有期労働契約が更新されるものと期待することについて合理的な理由があると認められるもの

厚生労働省HPより引用

要は理由無く解雇したり、繰り返し契約が更新されている場合は解雇が無効になる場合があるということですね

もちろん有期契約ですので、その契約期間で雇用契約を打ち切ること自体に問題はないのですが、契約が反復、更新され、無期雇用のような状況になっていると問題が発生するということです

そのほかにも無期転換ルールを発生させない目的でクーリング期間を設けるために解雇することも、無効とされる可能性が高いということにも注意です

まとめ

働き方改革が進むにつれ、今後ますます色々な働き方が出てくることが予想されます

有期契約労働者はその中でも大きなウエイトを占めることが予想されるので、いまそういった働き方の従業員のいる会社や、これから雇う予定のある会社は手続きのやり方や、就業規則はきちんと整備しておきましょう

特に就業規則はとても大切です

今回は以上となります

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです