おはようございます、社労士の有馬です
前回の記事で時間単位で有給休暇を取得する方法についてお話しましたが、今回は具体的に時間単位年休を導入する方法についてお話していきたいと思います
働き方改革が始まると10日以上の有給休暇の権利を持つ労働者には5日の有給休暇を取得させる義務が発生します
その一助となる制度かと思いますので是非最後までお付き合いください
時簡単位年休とは
時間単位年休とは文字通り1時間単位で労働者が有給休暇を取得できる制度です
日本の低い有給休暇取得率をどうにかするために採用された制度で、この制度を採用することにより5日分を限度に労働者は時間単位の有給休暇を取得できるようになります
具体的な時間は所定時間が8時間なら
8h × 5d = 40時間
ということで、時間単位年休を取れる時間は40時間分ですね
賃金は通常の有給休暇と同じく①平均賃金 ②所定労働時間労働した場合に支払われる通常の賃金③標準報酬日額(労使協定が必要)をその日の所定労働時間数で割った額のいずれかで
どの賃金を採用するかは就業規則で決定します
時間単位年休制度の導入法
時間単位年休制度の概要についてお話したところで具体的な導入方法についてお話していきたいと思います
時間単位年休は事業場の過半数労働者の代表者か過半数労働者が所属する労働組合の代表者と労使協定を結ぶ必要があり、労使協定で定める内容は以下の4つです
- 時間単位年休の対象労働者の範囲
- 時間単位年休の日数
- 時間単位年休1日の時間数
- 1時間以外の時間を単位とする場合はその時間数
具体的にはどの労働者が時間単位の有給休暇制度を利用できるのか
有給休暇のうち何日を時間単位年休に使用できるのか
通常の有給休暇を時間単位年休に使用する場合何時間になるのか
一時間単位以外での取得方法(例えば半日単位でしか取得できないなど)はあるのか
を決めます
適当な例を挙げると、①営業部が②5日を限度に③一日を8時間に変換でき④半日単位でのみ取得できる
みたいな感じでしょうか
会社の環境に合わせて適宜決めてみてください
時間単位年休の注意
最後に時間単位年休を採用する際の注意点についてお話したいと思います
時間単位年休の注意点は以下の三点です
- 有給休暇の管理の複雑化
- 時間単位年休の計画的付与はできない
- 時間単位年休は5日が限度
時間単位での有給休暇を採用すると一日より細かい単位で有休が取れることから管理が多少めんどくさくなります
小規模事業所であればエクセルの管理で十分でしょうが、大規模な事業所になると専用の労務管理ソフトが必要になってくるかもしれません
次に、前回の記事でお話したとおり時間単位年休の計画付与はできません
あくまでも労働者から希望があれば時間単位でも取得できるということですね
最後に時間単位年休は5日が限度です
労働者から希望があっても5日が限度ですので管理を徹底しておかないといけません
まとめ
時間単位年休は一日丸々やすんでしまうと仕事が溜まりすぎてしまうような部署の労働者にオススメの制度です
休むと他の日に仕事が回るだけだから休めるわけないだろ! みたいな話をよく聞きますが
そういった従業員の方に有給休暇を取得してもらうためにはこの制度は非常にマッチしています
働き方改革での有給休暇取得は義務ですので、なるべく有給休暇をとってもらいやすいように環境を整えるのが重要ですね
それでは今回は以上となります
この記事が皆様のお役に立てれば幸いです