遅刻・早退を残業で相殺はできるのか

おはようございます、社労士の有馬です

新年度が始まり2日目の朝となりました。新入社員の皆さんは新生活はいかがでしょうか

さて、今回は前回の記事の続きといたしまして、遅刻早退を残業で相殺できるのかという問題をお話していきたいと思います

遅刻や早退をしてしまったらその分長く残って働くということはままあることかと思いますが

そんな場合、遅刻や早退した時間を残業で相殺する事を提案されることがあるかと思います

しかし果たしてそれは可能なのでしょうか

可能だと即答した人は要注意。遅刻と早退、そして残業の相殺について一緒に確認していきましょう

遅刻と早退は給与的にはどういう扱いになるのか

遅刻や早退をすると給与的にはどうなるのでしょうか

この場合、完全月給制でない限り遅刻・早退分は給与は給料は控除されることとなります

例えば日給月給制であれば2時間遅刻したら2時間分の賃金が給料から差し引かれます

完全月給制や日給月給制という用語が分からないという方は過去の記事で紹介しているので是非そちらもお読みください

あ、ちなみに給与と給料の違いですが、これは立ち位置の問題です

与える立場からは給与、もらう側は給料といいます。賃金は法律上の給料のことですね。

さて、話を戻しまして遅刻早退分が差し引かれるという話ですが

この控除(差し引かれること)の事をノーワークノーペイの原則といいます

働いていない分は給料から控除してもいいという意味ですね

風邪を引いて1日休んだら1日分の給料が引かれるということです

遅刻や早退分の賃金を残業分から相殺できるのか

遅刻、早退時の賃金の扱いについて確認したところで本題の遅刻・早退分の賃金を残業代から控除できるのかに入っていきましょう

結論から言うとケースバイケースとなるのですが……理由はお分かりでしょうか

具体例と共にその理由を確認していきましょう

例えば所定労働時間が9時-18時のAさんがいたとします

Aさんは4/2に1時間遅刻してきて、その日1時間余分に残業をしたとします

この場合は果たして残業代が支払われるでしょうか

答えはノー

残業代は支払われません

理由は前回の記事を確認していただければいいのですが

ざっくり説明すると、遅刻してきた4/2の労働時間は8時間を超えていないからです

残業代(割増賃金)は1日の労働時間だと8時間を超えてから支払われますからね

なのでこの日はノーワークノーペイの原則で控除された賃金と、余分に1時間働いた残業代は同じですので相殺できます

では次に4/2に1時間遅刻したAさんが4/3に1時間余分に働いた場合を考えてみましょう、この場合はどうでしょうか

労働時間自体は4/2は10時-18時、4/3は9時-19時と、4/2に1時間多く労働した場合と2日間の総労働時間は変わりませんが(4/2は10時-19時、4/3は9時-18時)

しかし、総労働時間は変わっていないくとも内容には大きな変化があるのがわかるかと思います

そうです、4/3の労働時間が8時間を超えているんです

ゆえにこの場合は遅刻・早退で控除された賃金と、1時間余分に働いた賃金をそのまま相殺することはできません

なぜなら4/3の残業には25%増しの割り増し賃金が発生しているからです

まとめ

遅刻・早退・欠席で控除された賃金を単純に残業代と相殺してしまうと未払い賃金が発生してしまう可能性があります

4/1よりスタートした働き方改革では労働者の労働時間の把握について言及されており、ひいては賃金について厳しく見られる事が予想されます

未払い賃金は最大2倍の支払。時効は2年(退職者は5年)なので、もしトラブルに発展した場合、会社にかなり負担がかかることとなります

会社を守るという観点からも、このあたりはきっちりと把握しておきたいですね

それでは今回は以上となります

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです