【拒否】残業命令は違法? 合法? 境界線について解説します【強制】

おはようございます、社労士の有馬です

労務管理に携わっていると一度は直面する問題が、残業命令の拒否だと思います

残業をしてほしいのに用事があるからと断られてしまうことはよくあることかと思います。これが一回ならいいですが、常態化すると会社としても問題が出てくることでしょう

残業を強制させることができるのか、拒否されても仕方がないことなのか

社労士が詳しく解説します

もくじ

 

ITの発達によって個々人の知識の集積の差は無くなっていく傾向にあります

昔はその職の人だけが知っていた知識も、今ではインターネットで検索するだけで素早く、ローコストで正確に知ることができます。この記事の内容もそうです

人事労務担当者など、専門的な知識が必要な部署に携わる人間は、違法行為を犯さないようにより正確な知識が求められます

今回は違法行為に発展しやすい残業について、社労士として4年ほどの経験を持つ私が解説していきたいと思います

3分ほどの記事ですが、結論だけ知りたい方はもくじの最後の部分、残業の強制。違法と合法の境界線をクリックしてください

 

残業の定義について確認しよう

残業の定義について確認しよう

まずは残業の定義についての確認です

残業には法定内残業と法定外残業がありますが、今回は法定外残業の話です

これから出てくる残業という言葉は全て法定外残業のことだと思ってください

法定外残業とは残業代が加算される残業の事です

そして法定外残業は法定時間外の労働のことで、法定内の時間とは労働基準法32条にはこう記されています

1.労働基準法の労働時間
第 32 条(労働時間の原則)
① 使用者は、労働者に、休憩時間を除き 1 週間について 40 時間を超えて、労働させてはならない。
② 使用者は、1 週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き1日について8時間を越えて、労働させてはならない。

このように労働基準法には労働時間は1日8時間まで、一週間に40時間までの労働と定められています

なので、通常の労働時間で働いている人は一日8時間、週40時間超えた部分が残業時間となります

変形労働制を採用している会社の場合は一日単位で法定内、法定外を決めるのではなく

一ヵ月、または一年間で決められた労働時間の法定労働時間を超えた部分が残業時間となります

フレックスタイムも同様に

精算期間における法定労働時間を越えた部分に関して残業となります

まとめると以下のようになります

固定時間制(通常の労働時間)の場合

一日8時間、週40時間を超えた部分が残業時間となる

変形労働制の場合

一ヵ月、または一年間で決められた労働時間の法定労働時間を超えた部分が残業時間となる

フレックスタイム制の場合

精算期間における法定労働時間を超えた部分が残業時間となる

 

残業をさせてもいい会社、だめな会社

残業をさせてもいい会社、だめな会社

残業の定義について確認したところで、次は残業させてもいい会社とだめな会社について解説します

実は残業というのは36協定を労基署に提出しなければ違法行為になってしまいます

その辺りは過去の記事で詳しく説明していますので、そちらをご参照ください

ちゃんと出してますか?36協定

ちゃんと出してますか?36協定36協定は労働者に残業をさせるためには必ず提出しなければいけないものです。これを提出せずに残業をさせてしまうと違法行為になってしまいます。この記事ではそんな36協定について詳しく解説をしています

 

ざっくり内容を説明すると、残業はそのままでは違法行為なのですが、労基署に届けることによって、違法状態を問われることがなくなるというものです。そのために必要な届出が36協定という書類なんです

さて、本題に戻りますが、残業をさせてもよい会社、だめな会社というのはこの36協定を届出ている会社かどうかということです

36協定を届けない残業は違法行為になってしまいます

更新が必要な届出でもありますので、心配な人は一度確認しておくといいでしょう

もし、届け出てないという会社はすぐに届け出てください

作成方法は過去の記事で紹介してますので、そちらをご覧ください

36協定を作るときの決まり事【労使協定 → 届出 → 周知】

36協定を作るときの決まり事【労使協定 → 届出 → 周知】

36協定の作成方法。作成するときの決まりごとについて解説した記事です
36協定を届出ずに従業員を残業させてしまうと違法行為になってしまいます。更新のあるものでもありますので、この記事を読んで確認してみてください

 

残業の強制。違法と合法の境界線

残業の強制。違法と合法の境界線

この記事の本題の部分に入る前に復習です

残業の定義について確認しよう

固定時間制(通常の労働時間)の場合

一日8時間、週40時間を超えた部分が残業時間となる

変形労働制の場合

一ヵ月、または一年間で決められた労働時間の法定労働時間を超えた部分が残業時間となる

フレックスタイム制の場合

精算期間における法定労働時間を超えた部分が残業時間となる

残業をさせてもいい会社、だめな会社

残業をさせるには36協定を届ける必要があります

 

これまでの段落で残業について説明してきましたが、いよいよ本題の残業命令を出すことは違法か合法かについて話していきたいと思います

まず、結論からいうと、残業命令をだして、労働者に残業をさせることは可能です

ただし、従業員に残業をさせるためには、上の段落で説明した36協定をきちんと届けて出ていることと、労働契約、就業規則で残業がある旨と、残業命令があった場合、従わなければいけない旨を記載しておく必要があります

この手続きを怠っていると残業させる根拠がありませんので、労働契約と就業規則にはキチンと記載しておきましょう

これらの手続きをしていれば、従業員は正当な理由なしに残業を断ることはできません

従業員が残業を断れる場合

従業員が残業を拒否できる場合もあります

それは残業を断る正当な理由がある場合です

正当な理由とは『用事がある』とか曖昧なものではなくて、健康管理上の問題があるとか、育児、看護、介護を必要とする家族がいてどうしても帰る必要があるとかです

プライベートな理由は正当な理由にあたりません

ただ、正当な理由でなければならないということではなく、正当な理由がなくとも残業を免除してあげても一向に構いません

その辺りは人と人との関係のことですし、例えば20年目の結婚記念日でどうしても家に帰らないと家庭の危機を招くかもしれないということであれば、残業を免除してあげたほうがいいかもしれません

労務管理は法律に従いつつ、従業員のモラールとモチベーションがあげる事が重要だと思います

まとめ

残業は手続きを怠ると違法行為になる危険性がありますので、36協定や就業規則、労働契約は常に見直し、確認を怠らないようにしましょう

今回は以上となります

この記事が皆様のお役に立てれば幸いです